大和物語オマージュ「大空春風(略)」

大和物語オマージュ「大空春風(略)」(自作曲)

 興が乗ると、あっという間に完成するものですが、こちらの作品は、年末から落書きが進まず、他の譜面の奥に捨て去られ、時々眺め返しては、一番で終わりにすべきかも定まらず、とりあえず掲載。

 何か物足りなくて、二番を書いてみたけれど、録音して聞いたらびっくりいたし、なんだこのへりくつはとあきれかえり、さながら間奏のピアノはしっくり来ない。

 なんてことをだらだら繰り返し、ようやく完成したものの……

 ここだけの話、推敲を重ねた傑作などと、何かにつけて語られることがありますが、あるいはそれは、なんの霊感も湧いてこなかったという、オチを付けるくらいの作品には過ぎないのではないかと、学生時代にリサーチした芸術論とやらに、訂正を迫りたいような思いも、ふと浮かんでくるのでした。

 とりあえず、この二番まで付いたものが、完成版ということで、掲載しては過ぎ去りましょう。

「大空をわたる春風あびながら」

作詞作曲 時乃志憐

[Ⅰ]

喧騒になじめなくて ふるさとに戻った
  君の笑顔が 忘れられなくて

伝えたい思いばかり もどかしくあふれて
  新しい靴にはきかえて さあ出かけよう

新しい風を浴びては
  いくつもの街を駆け抜け
    なつかしく手をふる君は
  あの頃となにも変わらないね

  大空を
    わたる春風 あびながら
   そ知らぬふりして 君とおしゃべり

  大空を
    わたる春風 あびながら
   そ知らぬふりして 君にくちづけ

[Ⅱ]

これからは君の住む この町がわたしの
  新しい ふるさとになれたなら

伝えたい思いばかり もどかしくあふれて
  うなづく君の笑顔が 欲しくて見つめてた

ふたりして作る未来は
  いくつもの明日を駆け抜け
    なつかしく振り向く夕べ
  いつか誰かに手渡されたら

  大空を
    わたる春風 あびながら
   あの頃みたいに 君とおしゃべり

  大空を
    わたる春風 あびながら
   あの頃みたいに 君にくちづけ