芋虫野郎とアイスプラント

うにうにした芋虫たち

 園芸をしていて、黒い丸い粒が散らばっていたら、それは蝶やら蛾の幼虫が、にょろにょろと葉を食べまくっている証である。

 彼らはこのように、葉の裏や茎で戯れていたり、バジルやシソなどは、成長点のあたりを、巣のように住み着いたりしながら、葉っぱを食べまくって成長なさっているのは、健気である。

 ケナゲではあるけれど………

 それを見守るほどの仏のこころは、わたしは持ち合わせてはいないのだった。

 箸でつまんでさようならをしたよう。

 道理で近頃、フェンネルの成長点が、痩せ細って感じられた訳だ。

幼虫と50度シャワー

 これらの虫にも50度シャワーは有効だが、それは芋虫などが温度にびっくりして、葉っぱから転げ落ちるのが原因のようで、直接殺せる訳ではない。現に山椒の葉についたものは、必死にしがみついてしまい、しばらくシャワーを掛けてもこぼれ落ちようともしなかった。

 水となると、雨と一緒だから、なおさら簡単には流されず、ハダニやアブラムシを水のシャワーで撃退しようとしても、かなりの虫たちが、葉にとどまっていらっしゃる様子。それどころか、水没させると死滅するというのも、簡単には成功しない。なぜなら、しばらく水没していても、簡単には死なない奴らも多いからである。現に、水の中で葉を歩いているハダニを観察したこともある。

 結局は、小まめに植物の様子を確認して、異変に気づくことが大切で、ネットを掛けていた野菜が、安心のため放置気味になり、虫の天国と化すように、50度シャワーもまた、万全の対策ではなく、それを利用する人間次第で、役にも立つし、無駄にもなるものには過ぎないのだった。

 特にアブラムシ、ハダニ、コナジラミのような小物たちは、それをゼロにするなどは、考えない方がよいくらい。一定数以下に数を減らしながら、付き合っていくしかないと言える。

 特に、薬品を使わないで、唐辛子スプレーだの、牛乳だのといった民間療法は、花粉症にヨーグルトやら甜茶を飲むくらいの効果しか無く、抜本的改革には至らずに、時間の無駄に過ぎなかったと、今にして思い出すのだった。

 それで50度シャワーにたどり着いたら、きわめて気楽に、彼らをコントロール出来るので、今では手抜き管理のかなめにもなっているという………

アイスプラント

 その頃、アイスプラントは、今年も大きく成長することも無く、先に花を咲かせて終わってしまったよう。

 ………結局、一回収穫しただけだった。

 なんか、毒々しい感じの花で、祟りでもありそうな気配がするので、この状態から、葉だけを収穫する気にもなれず、今年もさようならをすることに。

 やっぱり、うちのベランダでは、アイスプラントの収穫は無理なのだろうか。

 そう思いながら、来年はもっと早くから栽培してみようとか、今年の秋頃植えたらどうだろうとか、また考えてもみるのだった。