壁紙DIY覚書

賃貸マンションの壁紙への独言

 賃貸ではなるべく壁紙を使用したくないし、そうでなくても壁紙を貼るのは、なかなかに面倒な作業。そうであるならば、簾やシェードをたれて済ませられるならば、あえて壁紙を使用せず、室内の印象を変えてしまう方が、手っ取り早い。それに壁紙を合わせれば、貼るスペースも少なくて、手間を省くことが出来るかも知れない。

 トイレやバスも同様で、剥がす手間まで考えれば、壁紙の代わりになる手段や、もとの壁の色を利用しながら、局所的に変化させるようなリフォームで、イメージを変えることを、まずは考えた方が良いかも知れない。

 もちろん、全体の印象の統一性を考えるなら、全体に貼れるなら、それに超したことはないが、必ずしも壁紙を貼った方が、質感に勝るとも限らない。ただし、6年住み続けると壁紙の修繕費負担は、ほとんどなくなるというガイドラインもある。しばらくは住むつもりで、もとの壁紙がどうしても合わないものに思えたら、あまりナーバスにならずに、壁紙に手を出してしまっても良いだろう。なぜなら、もっとも簡単に、室内の印象を大きく変えられるのは、壁紙やフロアシートには違いないのだから。

 一方で、壁紙を貼り付ければ、もとの壁紙にダメージが生じるリスクは存在する。先に言った通り、もとの壁の色を生かした室内コーディネートということも、まずは考えて見た方が良い。それでも、壁紙に手を出したいなら………

壁紙の貼り方

 「マスキングテープを貼って、その上から両面テープで貼る」「直に両面テープで貼る」方法が、賃貸マンション用の方法として紹介されたりしているが、個人的には「やってはいけない」方法かと思われる。

 壁紙もまた湿度によって伸縮し、どれほどきれいに貼ったつもりでも、全体がのり付けされていないと、貼った部分と貼った部分のあいだで、壁紙が浮いたりして、時と共にみっともなくもなるもので、「ホチキスで壁紙を打ち付けていく」という方法もあるが、同じ観点から、あまりおすすめ出来る方法では無い。

 それでおすすめの方法は、きわめて簡単な方法で、市販の「貼ってはがせる」タイプの壁紙を購入することに尽きる。これだと壁紙が傷みそうだが、メーカーによって、はがれ具合の良い壁紙、あまりダメージのないようなタイプの壁紙もあり、そのようなものを探し出して、貼るのが一番かと思われる。

 一方ではがせるタイプも貼れないような壁であれば、マスキングテープも使用しない方が良いくらいで、はじめから壁紙を変えるのではなく、シェードなどで覆う方がマシと言うことになる。

貼るときの注意

 丁寧に貼るためには、有用なサイトを探すのが手っ取り早い。最低限必要なのは、まっすぐ貼ること、空気を抜いて貼りムラの無いようにすること、少しゆとりを持たせておくことくらい。紹介サイトにはさも簡単に出来そうに書いてあるが、初めてやるとコツが掴めないで、結構大変な作業になることも、頭に入れておいた方がよい。

 まっすぐ貼るのは、例えば上部だけを水平に合わせたつもりになっても、貼っていくうちにどんどん斜めにずれていく場合もあるので、垂直方向への配慮を加えつつ、張り始めを定めるのは結構大変である。ぴったり貼ろうとせず、横にも長さにもすこしゆとりを持たせて貼っていき、最後にカッターで微調整した方が、きれいに仕上がるし、失敗の可能性も減る。

 空気を抜くのは、ハンカチなどで撫でるようにしながら貼っていけばよいが、壁紙用のスキージが付属しているような壁紙も売っているので、それを利用すればきれいに貼れるという利点もある。

 壁紙が立体になるところは、あらかじめよく考えてから貼り始めないと、思わぬ失敗に結びつく。またコンセントや扉の取っ手などは、状況に応じて外しておいた方が、きれいに仕上がる。逆に面倒な場合は、貼りながらその場で対処するくらいでも、うまく立ち回れば、それ程ひどい出来にはならないだろう。

 当たり前だが、貼ってはがせるタイプの壁紙でも、位置ずれによる張り直しなどは、極力避けた方がよい。特にはがす途中で破れたりすると、補修してもみっともないくらいで、破棄して張り直すはめに落ち入ることもあるから。

購入について

 はがせる壁紙といっても、メーカーや種類によって、剥がしやすさがまったく違う。言葉通りに信じて購入すると、辛うじて剥がすことは出来るものの、べたべたした粘着がつきまとうような、強力なものから、耐久性が疑わしいものまで様々。

 それで、ホームセンターなどでためし張りでもさせてくれるなら、それにこしたことはないが、値段なども考慮に入れると、ネットで該当商品のコメントなどを参照にして、安心できるものを探し出して購入するのがもっとも良いかも知れない。

 また値段によって、粘着の質ばかりでなく、壁紙の質感が大きく異なるので、あまり安いものを購入すると、貼ってからがっかりする事にもなりかねない。これからずっと眺め続けることを考慮に入れて、すこしリッチに振る舞う方が、リッチな生活環境を手に入れることに結びつくかも知れない。

おまけの注意

 もとの壁に穴や傷がある場合、丁寧に貼り付けると、その場所がくっきりと表面に表れてしまったり、最悪その場所で張り紙が破れてしまったりするので、あらかじめ下処理をするか、そうでなければ軽く貼るようにする。

 ドアなどに貼る場合、角にちょっと折り曲げてから壁紙を終えるようにすると、折り曲げたところから剥がれたりし易い。折り曲げる部分は、十分折り曲げた向う側に、壁紙を渡らせてから終えるようにした方が良い。

 厳重注意として、眠いときに貼らない。思わぬミスが、あなたを徒労の局地へと誘うであろう。

 あまった壁紙は、破れたりしたときの補修用として、保管しておくのが望ましい。