さよなら朝倉山椒

朝倉山椒

 トゲもあれば、雄株と雌株がある山椒の、突然変異により生まれたとされる朝倉山椒。

 優れた実山椒が取れ、雌木だけの朝倉山椒は、トゲがないこともあって、園芸用としても親しまれているが、木の芽、つまり葉っぱを利用しようとすると、その香りは独特ではあるものの、必ずしも食欲とは結びつかない。料理に使いたいようなものとはどうしても思われない。

 それでも、やがて好みが変わるかと思って、一年以上栽培し、時々は使ってはみたものの………

 まったく使い道が見つからず、見た目も硬派な葉山椒に比べて、魅力的なワイルドさ?に欠け、しかも油断すると蝶に卵を産み付けられて、芋虫がのさばり回るときては、わたしには擁護すべきベランダのスペースももはや見つからず、こうして今日、さようならをすることとなったのでした。