ワイングラスは割れないけれど

止めたはずの酒に酔って

 久しぶりに、あの人の歌を聴いてみたくなって、ふらふらともたれかかった棚は、置いてあるだけだったので、グラスに飾り石を敷き詰めて、ローズマリーを差しておいただけのインテリアが、床に散乱して、哀しい悲鳴を上げたのだった。