恩賜の銀時計ではない

ぐうたらへの置時計

 いまは昔。わたしが学生というものであった頃。恩師よりいただいた目覚し時計。

 それは時にゆとりのない、我への当てつけかとも思われたが、穏やかでは居られないような嫌な目覚ましの響きと、止めると実に嫌なタイミングで再びなり始めるその音に、ぐうたらになりがちな目覚めを託して、これまで愛用して使ってきたもの。

 けれどなんだか、電池の消耗と、時間の狂いが多くなり出して、そろそろ使い切れなくなってきたものだから………

 ここに記念を残して、お別れを告げることにしたよう。