既製のたれ

 久しぶりに加工食品のたれを購入した。
   スンドゥブのもとであるが、メーカーなどはどうでもよくて、
  この手のダシの入ったタレというもののまずさに、
    あらためて驚かされて、消沈した。

 あるいはダシをストックすることは不可能なのか。それともおぞましいくらい、やすい材料を、安価に仕上げるために、不可解な製造過程を経て、お送りしているだけなのか。それは分かりませんが……
     (あのカツオナポンダチとやらの、
         吐き気を催すような味わいはどうだろう)

 宅配ピザの後味の悪くなるような、しょっぱさとソースの味に腐ったようなチーズの気配の漂うあの、おいしさとは無縁のものがはびこって、それを餌みたいに食いあさっては、「おいしい、おいしい」なんてほざいている、ああ、それが誰なのか、わたしには口が裂けても、その正体は明かせないけれど……

 ダシ文化だなんてほざいている、
   そのダシとやらは素材の味をすべて、
     殺しに殺しておぞましい、
   いつわりの味へとおとしめているのに……

 ここまで味覚が狂ったならば、
   五つか六つくらいの情緒的ベクトルで、
     かたが付いてしまうような人工無能レベルの、
   符号にはまた味覚さえ、
       麻痺した哀れなモルモットのような、
          わたしはかなしみに沈んでしまうのでしたが……

 そのようなことを聞いたなら、
    彼らはまたよだれを垂らしながら、
       どうにかわたくしを愚弄しようと
    嘲笑のかぎりを尽くすのでした。

 そうして味覚の分かる人は、
    どこにもいなくなったというのが、
       この短い落書きの、
    いわゆるオチのようでありました。

    (めでたし、めでたし)

注意

 酔いどれの、読み返しなしの即興につき、不明瞭なところあるやも知れず。今は責任を持たず。