初めてのペンキの使い方

ペンキについて覚書

 ペンキの成分は主に、樹脂(接着成分)、顔料(色成分)、溶剤からなる。塗った後で溶剤が揮発して、樹脂が顔料と共に固まって、塗面(とめん)を形成する。その再、樹脂と顔料が溶けている溶剤が、水を主成分とするものが水性で、シンナーなどの有機溶剤が使用されているものを油性という。

 油性の方が、金属などのなめらかな面にも乗りやすく、塗った後の耐久性に優れ、乾燥時間は短く、光沢があるなどの長所があるが、より扱いに気を使う必要があり、シンナーに代表されるような、匂いが強い傾向がある。

 一方、水性のものも、溶剤が水性であるだけなので、乾くのに時間が掛かり気味ではあるが、乾いてしまえば、しっかりした塗面が形成され、水性だから水に溶け出すなんてことは起こらない。

 特に室内で使用するものには、匂いの少ない水性塗料がおすすめで、塗面の強度についても、油性に対しての話で、十分使用に耐える。

 ただしプラスチックなど、表面のつるつるしたものは、すぐ剥がれやすい。ただ、ペンキにプラスチック使用可能の表記があるものを使用すれば、ある程度の使用には耐えられる。ステンレスなどもそうだが、表面をヤスリで削り地を荒らすことによって、ペンキの乗りを良くすることが出来る。その他、詳細は省くが、多目的用途のペンキなら、あまり深く考えず、さまざまなものに使用できる。

 スプレータイプは、速乾で均一にきれいに仕上がるが、平らな面などを広く塗るのには、きわめて割高で、小物や刷毛で塗りにくい形状のものに使用すると良い。

刷毛の保存について

 趣味として継続するのではなく、一時的なDIYを行う場合、安価なものを購入して、塗るべきものを塗ったら、刷毛を破棄してしまうというやり方で良いかと思われる。それまで持たせるのには、あれこれと細かいメンテは無視して、

 このように、ビニール袋の中に水を入れて、使い終わった刷毛を、まず新聞紙などにペンキをよくなすりつけてから、浸水させて保管する。また使用する時に、新聞紙などで水気を切って、ペンキの中に投入して使用する。これを繰り返していれば、いつまでも刷毛が固まることは無い。

 それで付けている水の方は、何度も刷毛を付けて汚れてきたら、口を縛って燃えるゴミと一緒に出してしまうのが、正論かどうかはともかくとして、下水に流すよりは良いかと思われる。もちろん布などに、すべて染みこませた方が、良いには違いないのだけれど。

 もし刷毛を保存するなら、最後に水から出した刷毛を、さらによく水道で洗ってやり、その後、中性洗剤でよく洗ってやり、乾かして保管する。

二度塗り

 このように、プラスチックもOKなものは、やはり剥がれやすい傾向はあるものの、ある程度プラスチックなども塗装することが可能。パッケージに二度塗りの目安が書いてあるが、ペンキ塗の基本中の基本として、薄く何度も塗る方が乗りが良く、均一に仕上がる事があげられる。

 特に刷毛塗りは、ムラが出来やすく、一度目は塗りの土台を作ってやる感じで、二度目に色を仕上げるようにしてやると、きれいにかつ耐久性も十分に仕上がる。ただし、ある程度乾いてから二度目を行わないとならない。

水性塗料の乾きについて

 表示の乾き時間は、あくまでも表面が乾く時間に過ぎなくて、完全に乾いた状態として、日常使用に耐えるまでは、実際はかなりの時間がかかる。上にものを乗せる場合や、ラックのように書籍などを置く場合は、三日でも全然足りなくて、一週間は何も置かない状態にしておかないと、ペンキの方がものについてくる結果となったりする。

 また、ペンキを塗ったもの同士が触れ合うのは、もっとも注意すべき状態で、よほど乾いたと思っても、接着剤のように繋がれてしまったりもする。そのような事もあって、

 ラックや板などを塗る場合は、全体をまんべんなく塗装するのではなく、設置を考えて、見えないところや、他と触れ合うところは、なるべく塗装せず、見えるところだけを塗装することが、ペンキの使用量に対しても、すぐに設置出来るところからもおすすめ。

 これはもちろん、ひとつの家具を仕上げるような観点ではなく、安い既存品を改変したり、再利用するような場合の、手抜き作業としておすすめであるに過ぎないが。