花粉症に効くハーブ
などともっともらしく紹介するサイトの、おせっかいやら善意やら、広告の収入のためやら、さまざまな思惑はわるのでしょうが、長年花粉症に悩まされてきた私に言わせれば、「あなたは本当に重度の花粉症なのか」とお尋ねしたくなるような不始末です。
いえいえ、ハーブが悪いのではありません。
ただあらゆる民間療法について言えることですが、軽度の症状であれば、確かに改善する可能性は大いにあるでしょう。あるでしょうが、一方で、本格的に症状が出て苦しんでいる相手に、「毎日ヨーグルトを食べろ」とか「納豆を食べろ」とか、「何々のハーブティーを毎日飲めば」などと忠告するやからに対して、少なくとも私は、そのシーズン中は、はげしい殺意をすら、いだくのであります。
そう、今すぐ煉獄にでも言っちまえと、竹箒で頑張って戦闘を挑み、ダンテのごとくに奴らを糾弾してみても、結局は自分が打ち負かされて、牢獄に入れられて、泣き寝入りするくらい……なんだかよく分りませんが、ともかく憎んでいるのです。
医療の恩恵をののしるものには
十倍の保険料を!
てなくらい、症状の改善には、適切な薬によるコントロールが必要なことを、わたしはここに宣言してはばからない!!!
というのも……
結局は手前の不始末か
実際に、毎日エルダーフラワーとネトルのハーブティーを摂取してみたこともあったのです。けれども……
気休めにすらならないじゃん。
そんなたそがれ。
もうひとつ言えることは。
わたしの実体験として、不思議なことではありますが、花粉症に効果があると紹介されるエルダーフラワーですが、この香りをかぐと、花粉症の一歩手前のような、症状が起きそうな状態に、体がなるようです。
錯覚かとも思いましたが、時期を離れて何度か繰り返しては……
ふと思い立って匂いをかいだり、お風呂に抽出液を投入すると、やはり発症はしないものの、体調が発症直前のような兆候に陥ってしまう。はたして奴らの平然と述べ立てることは、ちゃんと確認してのことなのだろうか?
あまりにも無頓着に、かつ誰か、有力な意見に従っていれば、訪問者も稼げるだろう的意識にさいなまれてか、そもそも実験の本質を知らないだけなのか、どこかかからあさってきた情報を元に、平然と書きまくるサイトが、この頃は検索すると上位にばかり登場するので、なおさらもしそれが善意のサイトであっても、その管理人を信用できないよう。
そもそも、あちらこちらに広告をぶちまけて、必要の無い写真で飾り付けたコンテンツの不気味さは、ナチュラルな動物社会から乖離した、人間園の娯楽生命体でもあるように、思われてならないような、むなしさつなる夕暮に……
つまり、別にその根拠を否定するものでもありませんが、素朴な疑問として、少なくともわたし個人にとっては、はたしてこれは本当に、花粉症に良いものなのだろうか。到底信じがたいというのが、現状の結論なのでした。
ハーブのせいではありません
エルダーフラワーだって、入浴剤にすると、香りはとても良いので、変な症状にさいなまれないなら、大いに楽しんで欲しいよう。ハーブティーにしても良いよう。
一方のネトルですが、ハーブなど気休めということが分った以上、このハーブは、ちょっと緑茶に似たところがあり、味わいもなかなか良いのですが、日本人としては、どうしても純粋な緑茶が楽しみたくなる。というか緑茶の方がはるかに美味しいのでは、という疑問符が付いてしまい、アイデンティティに乏しいような、中途半端なハーブには思えてくるのであれば……
今はいさぎよく、この二つのハーブを、結構高かった気もするのですが、使っていなくても減価償却。思い切って処分することにしたのでした。