イタパセはデリケートすぎ
とってもナイーブでデリケートで、引っ込み思案なのかと油断すると、急に成長を遂げて、回りを圧倒したりと、一人っ子政策のなれの果てのようなイタリアンパセリは、ハーブの基本である。けれども、ミントやら紫蘇、バジルのように、叱られてもへっちゃらな奴らとは違う。幼い頃は、気を抜くと、自ら滅びの呪文を唱えつつ、土へと帰ってしまうような、デリカシーを持った植物でもあるようだ。
こちらは、一日水やりを放置して、弱ったところを移植したら、ぐんぐん弱り切って、滅びてしまった数日前の例。これに限らず、苗から購入した場合は、時を経ず、丁寧にポットから取り出し、土を落とさずに、静かに新たな環境へ植えて、水を与えてやらないと、滅びの呪文が発動する。水耕栽培のために、根を洗うなんてもってのほかで、うまく切り抜ける苗も確かに存在するが、自害する苗の方が遙かに多く、おすすめできたやり方では無い。もし水耕栽培を遣りたいなら、種から水耕栽培用に育てるか、もし苗を利用するなら、Tokino式に、土のところはそのままで、下だけ水耕栽培にするのがベストである。
ただし、イタリアンパセリは、水耕栽培と、土での栽培と、両方やってみたが、成長の早さは水耕栽培の方が勝るが、根元が蒸れて虫が付いたり、刈ると根のコンディションが悪化したりと、土の方が気楽に扱えたので、現在は土での栽培に落ち着いている。特に栽培が翌年まで、一年以上に及ぶと、次第に根元が詰まって、様々なトラブルを起こすこともあり、おすすめできない。逆に、春にセッティングして、秋頃に終わりにするなら、水耕栽培もよろしいかと思われる。
二株目
ともかく、もう一度購入して、今度は元気の良いうちに、すぐに移し替えた。ついでに、株元が巨大化しつつある三つ葉を、刈り込んでから、隣に植えてみる。去年、イタリアンパセリとスープセロリを一緒に植えたら、スープセロリが弱り切って、まったく成長しなくなってしまったが、あるいはこの組み合わせも、何かしらの弊害があるだろうか。やってみないと分からないけれど………
そんな訳で
去年の同じ頃に購入したイタリアンパセリが、トウ立ちして、終わりを迎えたので、新しいものを定植。伸びてきたトウを、早めに切れば、しばらくは栽培が継続できるが、あまり気にせず、新しい苗へと切り替えるのがおすすめ。また、ベランダ菜園のために種を購入するのは、苗を育てる環境も悪く、育てるべき苗も極めて少量で、つまりは種があまりまくってしまうので、苗からの購入がおすすめ。種から育てるのは、趣味や愛着や、実験の為か、そうでなければ、ある程度の耕作地が存在して、まとまって育てる場合にこそ相応しい。
ちなみにネギは、普通にスーパーで購入したものを、下だけ残して、土に差しておいただけのもの。冬の間、鍋をまかなうほどの収穫は出来ないが、ちょっとネギが欲しい時には便利。これも葱坊主が出来はじめて、夏には弱ってしまうので、あえて継続せず、潔く終わりにするのが、狭い空間でのベランダ栽培の基本と言えるかもしれない。