かへるがへる

ふる里に戻りて

 我もなほ、数ヶ月めの端末をあそびつつ、真夜中の徘徊など致せば、無数の蛙、うごめき廻る舗道に、何を求めてか、自動販売機によじ登るもの此あり。大いなる蜘蛛の鎌、近隣に潜めど、蛙に勝てるものにもあらず。げこげこ鳴きて、あかつき、脇の水田へと、かへるなるべし。あるいはまた、途上のあぜ道にて、踏みつぶされて干からびるものにや。我知らず。いかなる故か、ディスプレイの内に、籠もりたるのもあり。餌なくして、死にゆくばかりも、まことに哀れなるべし。

今節は
  光浴びたき 蛙かな
      狂句 時乃某