麦の秋 ―麦茶と麦焼酎の割りもの

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麦の秋 ―麦茶と麦焼酎の割りもの

野の道や
  童蛇打つ 麦の秋
        正岡子規

 麦が収穫の色づくのは夏なので、麦の秋とは夏の季語ともされています。あるいは「麦秋(ばくしゅう)」などとも呼びますが、道ばたの蛇を見つけたのが子供であればこそ、怖れもなくおもしろがって、ちょうど色づいた刈り取り前の麦穂を引っこ抜いて、それでもって蛇を打ってあそんでいる光景という、考えればなかなか複雑な構成を、まるで詠み流したこの人の才覚には、思わず感心せずにはいられませんが……

   麦秋や 子を負ひながら いわし売り
          小林一茶
なども、それ自体悪いものではありませんが、ありがちなスナップから、拾い集めたような通俗性を捨てきれていないのに対して、子規居士のものはきわめて個性的で、それでいてありがちの描写を踏み外さない、奇抜と日常の対象が、芭蕉の誹諧じみていて……

 それはさておき、麦焼酎と麦茶の割りものには、「よぶこ鳥」の魅力とはまた異なる、さわやかにしてさっそうとした味わいが、まるで夏の清涼感みたいにして、込められているものです。

「麦の秋」のレシピ


 麦焼酎:麦茶=1:2
   の比率で、お好みの量だけ混ぜ合わせて、グラスに注ぐ。


 氷を十分に入れて、ステアすると美味しいでしょう。レシピがシンプルだからといって、味わいが劣るものではありません。

リンク

「麦秋」
………ウィキペディアの「麦秋」の解説。
「麦の秋」
………「こよみのページ」というサイトの配信している、メールマガジンより。(メインサイトが、もう少し見やすくなることを切望しますが……)メールマガジンの一番最後に、蕪村の俳句がありますが、この「さびしき」のひと言には、平安時代の秀歌に匹敵するくらいの言葉の思いが込められています。子規居士とはまた違った、秀句であると言えるでしょう。一茶の落書などとは、同列に語るべきものではありませんねと……ここはいったい、なんのコンテンツなのでしょうか。

2014/09/23(火)

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