野の道や
童蛇打つ 麦の秋
正岡子規
麦が収穫の色づくのは夏なので、麦の秋とは夏の季語ともされています。あるいは「麦秋(ばくしゅう)」などとも呼びますが、道ばたの蛇を見つけたのが子供であればこそ、怖れもなくおもしろがって、ちょうど色づいた刈り取り前の麦穂を引っこ抜いて、それでもって蛇を打ってあそんでいる光景という、考えればなかなか複雑な構成を、まるで詠み流したこの人の才覚には、思わず感心せずにはいられませんが……
麦秋や 子を負ひながら いわし売り
小林一茶
なども、それ自体悪いものではありませんが、ありがちなスナップから、拾い集めたような通俗性を捨てきれていないのに対して、子規居士のものはきわめて個性的で、それでいてありがちの描写を踏み外さない、奇抜と日常の対象が、芭蕉の誹諧じみていて……
それはさておき、麦焼酎と麦茶の割りものには、「よぶこ鳥」の魅力とはまた異なる、さわやかにしてさっそうとした味わいが、まるで夏の清涼感みたいにして、込められているものです。
①
麦焼酎:麦茶=1:2
の比率で、お好みの量だけ混ぜ合わせて、グラスに注ぐ。
②
氷を十分に入れて、ステアすると美味しいでしょう。レシピがシンプルだからといって、味わいが劣るものではありません。
2014/09/23(火)