わが門に
いなおほせ鳥の 鳴くなへに
けさ吹く風に 雁はきにけり
よみ人知らず 古今和歌集208
わたしの家の門に
稲負鳥(いなおおせどり)の 鳴くのに合せて
今朝吹く風に乗せて
雁はやってきたのです
秋の部に納められたこの「稲負鳥(いなおおせどり)」の正体がなんなのか、あるいはセキレイのことなのか、稲にまつわる鳥の総称なのか、分からないままにいつしか、まぼろしの鳥とされ、中世には『古今伝授(こきんでんじゅ)』の免許皆伝の、秘術のようにさえ扱われてきた「いなおほせ鳥」。それを掲げるカクテルもまた、オリジナルのレシピがなんであるか、今となってはもはや誰にも分からない……
従って、古文書を紐解き、数多くの文献に埋没し、ついに辿り着いたわたくしのこのレシピも、あるいはくつがえされる日が、来るのかも知れませんが……
なぜか秋の鳥である「稲負鳥」が緑茶を掲げ、夏めいた麦茶のカクテルが、「よぶこ鳥」と呼ばれているあたりに、複雑な名称のいきさつがあるようにも思われますね……
①
ラム酒(ホワイト)を50ml、グラスにそそぐ。
②
冷えた緑茶を150mlグラスにそそぐ。
粉の緑茶を使用すると、色彩がよく、手っ取り早い。
③
軽くステアして、氷を加えて完成。
2014/09/16(火)