紹興酒は、薬めいた、あるいは健康ドリンクめいた味わいが、医食同源を思い起こさせるような……つまりは、好きになるまで、経験の蓄積が、必要なお酒であるように思われる。けれどもし、ウーロン茶の、わずかに薬味のこもるようなストロングな味わいさえ、さわやかに思われるような、今のわたしたちであるならば……
紹興酒のウーロン茶割などは、いつしか繰り返したくなるような、なつかしい味わいに思われてくるのではないでしょうか。
このカクテルの必然性は、紹興酒を麦茶で割ってみるとよく分かる。紹興酒の味わいは、ウーロン茶の時よりずっとストレートに伝わって来るのに、それはただ薄められたくらいの、紹興酒の味わいには違いなく、ウーロン茶の時のような、新たな喜びにはいたらないからである。あるのはただ、まずくはないけれど……という、ある種のもどかしさに過ぎないのであった。
①
容量は参考。つまりは[紹興酒:ウーロン茶]を[1:2]にして、氷を入れてステアすれば完成。
②
[1:1]だと、ウーロン茶の味わいが、紹興酒の味わいに負けてしまう。逆に[1:3]だと、アルコール濃度が薄くなり、カクテルとしての存在意義が脅かされる……かどうかは知らないが、[1:2]で美味しかったので、こちらを採用する。
2015/08/26