世界一周をしながら、スペイン艦隊をやっつけまくった男。海賊にして、海軍提督でもあるフランシス・ドレーク(1543頃-1596)といえば、英国海軍の誇りである。その部下のリチャード・ドレイクがキューバに伝えたカクテルが、十九世紀にバカルディ・ラム(ホワイトラムの銘柄)をベースにしたモヒートを誕生させたという。そんなスペアミント入りのカクテル。
・ミントはお好みのものをという(大衆におもねった)レシピもあるが、種類によって味わいが大きく変わってしまう。例えばペパーミントでは、このレシピでなければならないほどの必然性が感じられないし、ミントではないが、レモンバームを使用したものも、きわめて微妙なカクテルに仕上がる。このカクテルは、スペアミントを使用したとき、おかわりの欲しくなるほどの、豊かな味わいを見せるようだ。「どれでも大丈夫」という表現は、寛大な精神をひけらかすようでありながら、味わいなど知ったことではない、という紹介の定理に背く行為には他ならないのである。(……また大げさな……)
・このカクテルに関しては、ラムと他の蒸留酒を混ぜるよりも、完全にラムベースで作った方が美味しい。少なくとも、ラムとウォッカの組み合わせは、なんの取り得もなかった。また、ダークラムの場合は、下にあげたような結末を迎える。
① すり鉢にスペアミントの葉を入れる。そこにライム1/2を絞って投入。さらにホワイトラム50ccも投入して、すりこぎを使ってミントの味を酒に移す。(ミントを擦るタイミングはお好みでどうぞ)
・多めに投入して、数回使用するより、飲むたびに新しい葉を使用した方がよい。
② 漉してミントのかすを分離させるか、面倒なら静かに注ぎ入れて、ミントの葉をすり鉢に残すようにして、グラスに注ぎ入れる。そこに炭酸水150mlを注ぎ入れる。
③ 軽くステアして、氷を入れて完成。そのグラスに枝付きのミントなどを加えてやるとちょっとお洒落(され)。この飾りのミントにだけ、ペパーミントを使用するのは有り。
ラム酒を、ダークラムにするだけです。はっきりいって、美味しいものではありません。ただ入院患者の点滴を眺めていたあの頃、懐かしい病棟の思い出のような、薬品じみた味わいは、一度楽しんでみてもよいでしょう。変りだねカクテール。
ライム1/2を、カボス1個にするだけです。
これは非常に美味しいです。ライムより美味しいかも知れません。
かなりのおすすめ。
ライム1/2を、シークァーサー20ccにするものです。
これもまた、かなりいけます。
ただしレモンだと、まがいものにしか過ぎないのは不思議なものです。
こちらはスペアミントの代わりに、青シソ(大葉)を使用するものです
メーカーレシピにはとりあえず作ってみたようなレシピも多いものですが、とある紫蘇焼酎の付録レシピにも、大葉によるモヒートの例が載っていました。それをもとに実験してみた私の主観によれば……
・紫蘇焼酎75cc+青シソ+炭酸150cc
⇒悪くはないが、甘味に乏しく、物足りなさが残る
・上のレシピにライム果汁(1/2)を加えたもの
⇒繰り返し飲みたくなるほどの魅力を感じない
・純粋にモヒートのレシピのままスペアミントをシソに変更
⇒悪くないし、シソの風味が生かされつつ、さわやか
⇒ただし、スペアミントほどの、代え難い味ではない
⇒したがって元祖モヒートほどにはリピートしたくはならない
・結論ですが、シソの葉を使用したモヒートには飲んで差し支えない程度の魅力がこもります。それはラム酒によってもたらされ、このレシピのスペアミントを大葉に変更するものがよろしいかと思われます。
・ただし、紫蘇ジュースも加えるレシピには、もう一度取り組んでみる必要があるかもしれません。
2014/08/04(月)