「富士には月見草がよく似合う」
Bar Lupin で片膝にもたれながら、そんな言葉をつぶやいて、女を口説いていたのは、テキーラに酔っぱらった太宰治氏でしょうか。
「カボスにはラム酒がよく似合う」
柱を巡りながら、そんな言葉をつぶやいて、男ごころをくすぐっていたのは、神々の黄昏みたいな、いざなみの神でしょうか。
けれども……
苦みばしったようなテキーラもまた、ラムとは違った不思議な相性が、カボスとのあいだにもたらされ、いつしか忘れられないカクテルとなるならば……
それは女性的なラムをこよなく愛した「いざなみ」ではなく、柱をめぐるそのダンスパートナー、「いざなぎ」の名称をこそ、掲げたくなるには違いありません。
① カボスは四つ切りくらいにして握り絞るか、(ちょっと搾りにくいけど、)二つ割りにしてスクイーザーで絞る。スクイーザーで搾(しぼ)った場合は、その後さらに握りつぶすようにして果実を搾りきる。(このサワーは苦みも楽しみたいので、強めに搾ってしまってよい)
② カボス果汁は20cc必要で、個数ではなく、計量カップで量った方がよい。面倒な人は、ざっくばらんに、カボス1個を使用する。
③ かぼす果汁とテキーラ50ccを混ぜ合わせ、そこに炭酸水150mlを注ぎ入れる。
④ 氷を適量加え、軽くステアして完成。
2014/10/27(月)