南イタリアのカンパニア州と言えば、ナポリが州都だが、そのナポリ湾のかなたにぽっかり浮かぶカプリ島といえば、ローマ皇帝ティベリウスもお気に入り、青の洞窟では神秘と戯れるような、レモンの特産地でもあるが、そんなカプリ風のサラダという名称をいただいたのが、このインサラータ・カプレーゼである。本来はトマトとバジルに、水牛の乳を加工したモッツァレッラ・ブーファラ(Mozzarella di Bufala)を加えるものだが、ここでは市販のモッツァレッラで仕立ててみせる。
並べたトマトにチーズとバジルを乗せるもの、挟み込むものなどさまざまなバリエーションがある。しかし、三つをほどよく切って混ぜ合わせたものが、色彩的にも、味覚的にも、最高だったので、それを紹介する。
①
トマトとモッツァレラチーズを切る前に、両方の(バジルも加えてもよいし、あまり重量がないので無視しても構わない)重さを量って、塩の量を求めておく。
②
トマト大から中くらい一個を、八つ切りのくし切りにしたものを、さらに切り分けて、ミニトマトくらいの大きさにして、並べておく。
③
モッツァレラチーズもトマトと同じくらいの大きさに切り分けておく。スライスではなく、ミニトマトくらいの乱切りにする。これをトマトのとなりに並べておく。
④
この並んだ所に、重量の0.4%の塩をムラ無く振ってしまうのが、一番良いようだ。ついでに胡椒もしておく。すべてを混ぜてから塩を振るより、簡単に均等に塩が振れる。
⑤
バジルの葉は、手で適当に千切って、盛りつける皿に入れておく。塩は必要ない。混ぜ合わせるときに、すぐに味が加わる。
⑥
バジルの入っている皿に、塩を振ったトマトとモッツァレラチーズを入れて、軽く混ぜ合わせる。これにいずれかのドレッシングを掛けて、さらに軽く混ぜ合わせて、完成。ドレッシングの目安は、大さじ2(30cc)くらいで十分かと思われる。もっと少なくても大丈夫。
[応用]
以上で完成だが、黄パプリカ半分くらいを加えると、色彩的にも味覚的にも、さらに面白い。(この場合は、パプリカも加えた重量で、塩を求める。パプリカは結構重量がある)
[失敗例]
味覚は個人のものであるとして、このサラダにルッコラを加えたら、トマトとバジルのハルモニア(調和)が破壊されつくして、ルッコラの嫌みばかりが舌に付くような、悲惨なサラダになってしまったので、ここに記しておく。バジルはバジルだけ、ルッコラはルッコラだけで使用する方がよいらしい。つまりバジルの代わりに、ルッコラを使用する分には、また違った美味しいサラダになるかと思われる。
2013/07/08
2013/10/31 プチ改訂