アルカリ性の重曹でふわとろにされた湯豆腐は、重曹じみた温泉の名物でもあるならば、それを自家製ポン酢で味わってみるのも面白い。
あるとき、この手の料理に料亭で接したところ、加熱前にちょっと味見した時の豆腐のおいしさが、できあがった後にはまったくなくなっていた。この料理はふわふわした食感と物珍しさを楽しむためのもので、豆腐をおいしくいただくものではない。というのが、わたしの結論である。(だからといって、ふわとろ感を味わいたくなる時だってあるならそれでいいじゃないか)
[注意]
重曹を水で沸騰させると炭酸ナトリウムに変化し、強アルカリ性を示すため、鍋の焦げ付きなどを落とすのに利用されている。もちろん食品添加物としても使用されているが、この沸騰された重曹水がどの程度の安全性を持っているのか、私にはさっぱり分りません。別に食べてもなんの変化もありませんでしたが……苦みがあり、これはアルカリ性が強いためかもしれず、タレは飲まない方がいいのかしらん?
豆腐に重曹を加えたお湯で茹でるとあら不思議、とろとろ柔けた豆腐が、まるで別の食感をあなたに提供してくれる。そんな湯豆腐。ただし、純粋な豆腐の味わいは、普通のやり方に一歩譲るようにも思われる。
①
鍋には昆布を加えず、水と、その重量の1%の重曹を加えてよく混ぜる。
昆布は豆腐をふわふわにするのを阻害するというが、昆布を入れておすすめしているサイトもあるので、別段昆布を入れても構わないかもしれない。個人的には、粉の緑茶を加えるのがおすすめ。ダシになるし、色彩がよい。。
②
火にかける前に、かなり大きめ(けっこう溶けるから)に切り分けた豆腐を投入する。
ここで油揚げを一緒に入れると、こちらもとろとろになるので、おすすめしているサイトがままある。わたしはむしろ、なにかを入れるなら、ネギを一緒にいれることをおすすめする。栄養的にもバランスがよいし、やわらかくなって非常においしい。
③
中火くらいで加熱を開始して、沸騰したら弱火にして、泡が出てきたら、あく取りですくい取る。10分くらい茹でると、とろとろ豆腐の食感が楽しめる。
④
ポン酢の原液に、とろとろ湯豆腐と鍋のつゆを一緒にして入れるとあら不思議。しゅわしゅわと泡立ちして、その泡に包まれたようなクリーミーな湯豆腐を楽しむことが出来るのはおもしろい。
終局のところ、ある程度の重曹の入ったタレは、わずかに苦みを含んだような、上品とは言えない味わいになってしまうものらしい。この鍋は、とろとろした食材を楽しむためのものであり、タレを飲むものではないと考えた方がよいかもしれない。
①
水の量100ccに対して1gの昆布と、1gの重曹、水の量400ccに対して小さじ1の粉緑茶を加えて、鍋に入れる。
つまりたとえば、水の量がカップ4(800cc)なら、昆布が8g、重曹が8g、粉の緑茶が小さじ2となる。
②
基本となる豆腐(個人的には絹豆腐がおすすめ)を、大きめに入り分けて並べる。
③
おすすめの食材として、大きめに切った油揚げ、斜め輪切りにしたネギ、細めに切ったニンジンを並べて中火にかける。
④
沸騰したらすぐ弱火にする。豆腐などが溶けて泡が出てくるので、あく取りですくい取る。10分くらい弱火で煮込む。
⑤
エノキダケなど、火の通りやすいものは、煮込んでいる間に、適当な時に入れる。また葉っぱものなどは、火を消す少し前に入れて、加熱しすぎないようにする。
⑥
ポン酢の原液に、半分くらい鍋のタレを足すようにしていただくとあら不思議。次々にシュワシュワと泡が立って、泡まみれのとろとろした食感を楽しみ続けることが出来るという。薄くなったら、ポン酢を足してください。
自分で作ったポン酢でいただくのが、たのしいかもね。
・これでしゃぶしゃぶをすると、肉が軟らかくという情報あり。
2013/12/13(金)