素麺と素麺つゆの作り方

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美味しいそうめん

 かの有名な僧旻(そうみん)に尋ねたところ、残念ながらソーミンチャンプルーのことしか聞けなかったので、昔は「揖保乃糸の普通ランク」が美味しく食べられた自分の経験を頼りにすると、一年以上熟成された「ひねもの」と呼ばれる素麺から、美味しいメーカーのものを探し出すのが良いかと。

 素麺は麺をめんつゆでいただくものなので、当然メンの味や喉越しが美味しさに決定的に関わってくるもの。めんつゆを付けていただくので、次にはめんつゆの味が重要になる。

 それで、めんつゆについては、市販のものは化学調味料がなんたらよりも、本来風味が飛びやすいダシの味を、誤魔化すために、作りたてであれば必要のないもの、つまり「めんつゆ」という調理には、本来必要ないものが、味覚を悪くしているように思われる。

 特にしょう油ベースの汁は、麺類、ことに素麺の場合は、ダシの風味をそうめんの小麦粉の味わいと喉越しのうちに味わうようなものなので、市販のすでに出来ているめんつゆは、その一番大切なダシの部分が、なんだかヘンテコな風味に貶められ、真の風味を損ないながら、味覚だけに依存したものが多く、味覚にはうまく作用するが故に、これが美味しいなんだと思い込んでいる人も、また多いらしいけど……

 ともかく、既製品を購入するよりは、自宅でダシを取ったほうが、外れなく、美味しいめんつゆがいただけるようなもの。ダシはいろいろ方向性があるが、自宅ではかつお節をベースにしたものが、そうめんにもっとも合うかと思われる。ところで、ひと昔まえの料理の定番レシピには、

[醤油1:ミリン1:水4]
の比率で混ぜたものに、かつお節を投入するか
  あるいは水4の代わりにだし汁4

とするものが、しばしば紹介されていた。けれどもう少し薄めたほうが、かえって醤油の風味を引き立てるのは不思議なもので。そんなわけで……

素麺(そうめん)つゆのレシピ

 面倒なら、水に上の調味料とかつお節を入れて、加熱する方法でも、おいしくいただける。ちょっとこだわるなら、ミリン+砂糖で加熱してアルコールを飛ばしてから、しょう油を投入、沸騰直前くらいで火を止める。一方でダシは別に作っておいて、火を止めた調味料と混ぜ合わせ、再加熱して沸騰直前くらいで火を止める。

 それ以上こだわるなら、調味料の種類や、かつお節などから考えないと、あまり意味がない。家庭で普通に美味しくの領域から外れてしまう。

ダシについて

ダシは、冷汁の場合は昆布は入れない方が良いようだ。しっかりダシをきかせるのがポイント。かつお節だけなら1リットルに30gくらい使用してダシを取る。さば節なども混ぜられている、混合節をベースにしても良い。また、昆布など気にせず、パックになって売られているような混合ダシパックを使用しても、削り節の状態から取るダシなら、けっこう美味しくいただけるが、例の「顆粒(かりゅう)ダシ」のまずさに付き合うくらいなら、市販のめんつゆを購入した方がマシなくらい。

素麺(そうめん)つゆ 味噌ごまだれ

 はじめから作る方法もあるが、両方の味を楽しみたいとか、前日と味を変えたいとかの便利さもあるので、しょう油ベースの汁から、「味噌ごまだれ」を作る方が便利かもしれない。しかも、味噌つゆも味噌ベースで作るより、しょう油ベースのつゆに味噌で風味付けをする方が、味のバランスが良いように思われる。

 この場合、素麺つゆと調味料を混ぜ合わせるだけで、加熱などは必要ないので、冷やした素麺つゆを、すぐに味噌胡麻のつゆにすることが出来るので便利。加熱しないので味噌の風味も損なわない。ちょっとこだわる人は、すり鉢で胡麻をすってすりゴマを作り、そこに味噌を加え、すり合わせて味噌の風味を出してから、液体と混ぜ合わせると良いでしょう。

 ダシについては、ここで水を加えるので、もとのものより薄くなるはずだが、しょう油ベースのダシと、味噌ベースのダシでは、必要とされる量が異なるのか、かえって薄められた状態で、味噌とダシのバランスが良かった。(ただしこれについては試してないので、水でなくダシでのばした方が、あるいはおいしいかも知れない。)

素麺(そうめん)つゆ トマトジュースつゆ

 100%トマトジュース(無糖)を使用しためんつゆは、トマトジュースを水でのばした方が良さそう。そうしてダシを加えて、つまりはトマトの主張をなだめながら、風味を残すように仕向けて、相性の良いしょう油ベースに仕立てるのが良い。

 作り方は簡単で、はじめの素麺つゆの作り方のレシピの、水からダシを取っていたのを、[水+トマトジュース]を[1:1]で混ぜ合わせた、薄めたトマトジュースを使用してダシを取るだけ。

 と言いたいところだが、もしかしたらトマトジュースが加わると、ダシの出方が悪くなったりするのかも知れない。濃いめに取ったダシとトマトジュースを後から混ぜ合わせた方が良いかもしれないが、これについては試してないので不明。ただどちらの方法でも、それなりにおいしく出来ると思われるので、あまり気にしなくても良いか。

そうめんの作り方?

 茹で方は、パッケージに従うのが良いかと。盛り付けは、やはり十分な氷を加えた冷水に泳がす、定番のやり方が、特に夏にはおすすめです。薬味はお好みで。ただ以外とそうめんには、とろろすり下ろしを加えた、とろろつゆが合うのでおすすめ。特に、梅や柚子など、柑橘系の風味が加えられた素麺とは、非常に相性が良い。一方で、胡麻味噌つゆだと、風味が殺され相性が悪い。

 また、色彩を楽しみたい時や、少し違う風味を楽しみたい時は、茶素麺、梅素麺、柚子素麺など、いろいろな風味の素麺が売られているので、場合によっては色を違えて並べてみるのも、なんだかリッチな気分です。

 また蕎麦も、ここでは冷水に泳がせてしまって、一緒に素麺つゆでいただいても良いでしょう。本来は、蕎麦つゆはもっと甘辛くて濃いものですが、さっぱりしたつゆでいただくのも、悪くはありません。

素麺なリンク

素麺
「ウィキペディア」の「そうめん」の説明。
手延べそうめんの出来るまで
「youtube」の「そうめん」の作り方。

2018/08/04

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