納豆、タレと薬味となっとう丼 (レシピ)

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納豆、タレと薬味となっとう丼

 食卓の友ともされる「糸引き納豆」と、そのどんぶりについて。11世紀中頃『新猿楽記』にその名称をかかげる納豆ではあるが、わたしたちのよく食べる「糸引き」のルーツと確認されるのは、室町時代に入ってからのことらしい。江戸時代には、行商人が売り歩いていたが、こんにちはスーパーやコンビニに並べられている。元々は稲藁にいらっしゃる納豆菌の作用によって、大豆を発酵させたものだが、今日では培養した納豆菌を噴霧して、発酵させた工場生産のものが主流。

 それはさておき、市販の納豆のタレは、味がくどく、こめすぎたダシによって納豆の味ではなく、調味料の味をいただいているようなわびしさが籠もるので、さっぱりしていて美味しいタレのレシピを模索する。

賞味期限について

 発酵させたものを、冷蔵させて、納豆菌の活動を抑えつつ熟成を行ったものが出荷される。製造日の若いものはフレッシュな味わい(ってのも変か?)だが、冷蔵庫に入れておくと、次第にアミノ酸が増加して、うまみが増してくる。同時に、わずかずつ納豆菌の働きにより、発酵が進んでしまう。そのバランスで、買ったばかりの納豆が好きか、賞味期限ぎりぎりの方が好きかなど、人によって好みが分かれてくる。ひとつの目安として、製造日から[5~7日]たったものがバランスがよいという意見もある。保存が伸びると、次第にアンモニア臭が強くなったり、食感や風味が損なわれてくるので、(特にそれが好きな人以外は)一週間をめどにいただくのがよいかと思われる。いずれにせよ、あまり過ぎると、風味は損なわれてしまうので、食べられるか食べられないかの議論は放置して、賞味期限内にいただいた方がしあわせである。

納豆のタレ

 醤油とみりんと砂糖で十分に整った味になるので、あまり余計なものは入れない。ただし、隠し味に酢を加えるのは、なかなか味わい深い。

[その作り方]
 上の分量の比率で混ぜるだけ。納豆一パックに小さじ2くらい、薬味を多めに入れた場合は、大さじ1くらい。納豆以外のものを沢山入れた場合は、もう少し多めにする。

[かつお節]
 出汁を入れると、出汁の味が強く出る。大豆の風味を楽しみたいときは入れないとか、そのまま納豆だけでいただくときは入れずに、ご飯のおかずにするときは入れるなど、いろいろ試してみるとよい。入れなくてもおいしくいただける。
 入れるときは、調味料を混ぜるときに一緒に入れて、しばらく置いてから、かつお節を取り除くだけでよい。

混ぜ合わせるもの

[薬味三昧]

 薬味の量は、めやすに過ぎない。シソは千切り、青ネギはみじん切り、ミョウガは千切り、ショウガはすり下ろし。以上を混ぜ合わせて、薬味セットとして納豆をいただく。一方で、この薬味のどれかひとつを使用しても、二つだけを使用しても、つまりはお好みのものをお好みの配合で納豆と混ぜ合わせても、なんの差し障りもない。ショウガだけのものも美味しいが、ショウガは苦みが出るため、入れすぎないように注意が必要である。

[ねばねば系とは相性がいい]

 これらのいずれかと、あるいは複数と混ぜ合わせ、また先に挙げた薬味とあわせなどして、納豆とタレと絡めていただく。

[大根下ろしの場合]
 無頓着に上のものと合わせると、大根の苦みが味覚にマイナスに作用することがある。とりあえず、ショウガ+大根下ろしなど、無難なところから、お好みの味を発見していったらよいかと思われる。

[ニラの場合]
 生のニラだと、ネギくらい細切りにしても、非常にニラの味が強く出る。それが好きな人は別として、ニラは一度加熱したものを使用したほうがよいかと思われる。

美味しい食べ方

 ねばねばの強い方が、その独特の食感が味覚にプラスに作用するという。(もちろん好みの問題になるけど。)そのためには、まずは納豆だけでしばらく、空気と触れるように混ぜ合わせて、ねばねばを強く引き出す。

 混ぜる回数による味覚の違いは、もっぱら「ねばねば感」によってもたらされるそうで、300回くらいかき回すと、非常になめらかな味わいになるという。これは、豆の味をダイレクトに楽しみたい場合は、それほどかき混ぜない方がよいという逆説を生み出すかもしれず、豆の種類や大きさによって、また好みによってかえればいいのかもしれない。ということにもなるのだろうか。

 その後、タレと薬味と混ぜ合わせて、またしばらくかき回していただく。

[粒の大きさについて]  小粒や、あらかじめ砕いた大豆を使用した「挽き割り納豆」などは、ご飯粒との大きさが近くて、ご飯に載せたときの相性がいい。一方で、大粒の方が、大豆の味がしっかりとしている。つまり、ご飯と一緒にいただくときは、小粒気味、そのままいただくとき、あるいはモロヘイヤと混ぜてなかば野菜のようにいただくとき、サラダに合わせるなどの場合は、大粒気味のものを使用するとよいかもしれない。

納豆丼


 まず、[薬味三昧]の薬味セットを作る。


 これにトロロ、つまり長いもや山芋をすり下ろしたもの、30~50gくらいを加えて、タレと絡めて混ぜ合わせる。


 納豆はまず納豆だけで混ぜ合わせたものを、②と混ぜ合わせる。


 どんぶりにご飯をよそる。お好みで、ご飯の上に、細めに切った海苔などをまぶす。


 ご飯の上に、③をよそって出来上がり。(その前に、きざみ海苔を御飯の上に敷くとちょっとリッチになる。)ショウガ、あるいは青ネギの一部などを保留して、最後に中央部に盛りつけても良い。またウズラの卵などを最後に乗せても良い。周囲に彩りの物を添えても楽しい。その辺はお好みで。

バジル納豆

 納豆にシソが合うならば、シソの義兄弟、バジルの独特の風味も、それに調和(ハルモニア)しないはずはない。ただし、バジルの風味を楽しむためには、かつお節は邪魔になる(バジルの風味が消される)。従って、かつお節は加えない。

[基本]
 納豆と、それと見た目(重さではなく)が同じくらいの量のバジルの千切り、納豆のタレを適量混ぜ合わせて出来上がり。タレの量は小さじ2から大さじ1くらい。

その他の組み合わせ

[春菊]
 生のまま、葉っぱのところを細かく刻んで、納豆と混ぜ合わせる。見た目にして納豆と同じくらい入れてしまっても大丈夫。かなりおいしくいただける。

[セロリ]
 セロリの味がかなり強く出る。セロリの好きな人専用。

納豆なリンク

納豆 (ウィキペディア)
………ウィキペディアの『納豆』のコンテンツ。
納豆菌 (ウィキペディア)
………ウィキペディアの『納豆菌』のコンテンツ。
納豆の栄養価
………「タカノフーズ」の『納豆の栄養』に関するのコンテンツ。まわし者ではないが、分かりやすかったので。
ナットー
………ウェブ上の攻撃にさらされる、納豆の公式ウェブサイト??

2013/08/21 初掲載

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